2007年4月21日
5000人収容の体育館を、地元応援団の声援が埋め尽くす。アウエーで迎えたフランス戦。日本チームは初日のシングルスにエース杉山愛と、フェド杯に強い森上亜希子を立てて臨んだが、2戦ともストレート負けという厳しい結果に終わった。
勝敗のカギは第1セットにあった。立ち上がり、先にペースをつかんだのは杉山だった。0−2から、ブレークバックで2−2。ラケットの振り抜きがよくなり、ラリーで主導権を握る場面が増えた。好調のサーブを生かして順調にサービスキープを続け、杉山がリズムに乗る。ドシーのサービスゲームでも積極的に攻めた。第5ゲームでは2本、第7ゲームでは3本、さらに5−5からの第11ゲームでも2本のブレークポイントがあった。しかし、あと1ポイントが取れない。
このセット、杉山はブレークポイントを8本握ったが、ブレークに結びついたのは最初の1本だけ。あと少しのところで波に乗れないままセットは終盤まで進み、杉山にはプレッシャーがかかった。5−6からの第12ゲームでは、2本のダブルフォールトが響き、サービスダウン。ドシーにセットを奪われた。第2セットはより積極的に攻めた杉山だが、かえってこれが空転し、杉山は大事な初戦を落とした。
「押していたのに、攻めきれなかった」と唇を噛む杉山。ブレークポイントを逃したことに関しては「なぜか相手にポイントを取られてしまった」と振り返る。自分の試合を客観的に分析できる杉山が使った「なぜか」という表現は、彼女の本音だろう。ブレークポイントを握ったことで消極的になったわけではない。このセットの杉山は終始、テンポのいい攻撃を繰り出していた。しかし、大事なところで「なぜか」それが実を結ばなかった。
植田実監督は「いつもの杉山より少しポジションが後ろだったために、攻めきれず、逆に相手の攻撃を許した」と見る。杉山にも、わずかな躊躇があったのかもしれない。だとしても、コンマ何秒、ボール数個分のためらい、ポジションのずれだったのだろう。しかし、それが、この試合の勝敗を分ける結果になった。
日本テニス協会広報委員会委員・フリーライター 秋山英宏