2009年4月26日
【第2日/4月26日】ポーランド・グディニャで行われたフェドカップ・ワールドグループ2プレーオフ、日本-ポーランド戦の第2日。日本は第3シングルスで杉山愛がアグニエシュカ・ラドワンスカに敗れ、1-2とあとがなくなった。だが、森田あゆみが第4シングルスを制し、2-2のタイに。決着は最終試合のダブルスに持ち込まれた。杉山/森田ペアは第1セットを先取したが、逆転負け。紙一重の勝負はポーランドが3-2でものにした。日本はワールドグループ2残留を逃し、2010年はアジア/オセアニアゾーン・グループ1に降格する。
[シングルス3]○アグニエシュカ・ラドワンスカ 7-6(5),6-1 ●杉山愛
両者が持ち味を出した試合だった。序盤から、長いラリーが続いた。杉山は、粘り強く、しかも展開のチャンスを見逃さず、よく攻めた。レッドクレーは決してベストのサーフェスではないが、プレーは力強かった。しかし、最後はラドワンスカのメンタルの強さと勝負勘がわずかに上回った。
第1セットは互角だった。分岐点は、杉山の5-4リードで迎えたラドワンスカのサービスゲーム。杉山は15-40と先行、セットポイントが2本あった。しかし、杉山はこれをものにできない。最初のセットポイントは、ラドワンスカのフォアのカウンターを杉山がバックハンドでネット。2本目はラドワンスカがネットをとり、杉山のパスがサイドラインを割った。大事な場面で思い切りのいいプレーを見せたラドワンスカ。持ち味の勝負強さを発揮した。
タイブレークでも杉山は5-1のリードを守りきれず、逆転を許す。これで流れはラドワンスカに。第2セットの杉山は一度も先行することができなかった。
「ポイントがほしくなると、手だけでコントロールするショットがあった」「足が一歩足りなかった」と反省の言葉が口をついて出た。「自滅」という言葉も使った杉山だが、ラドワンスカもさすがトップ選手だった。
[シングルス4]○森田あゆみ 6-2,6-4 ●ウルシュラ・ラドワンスカ
1-2とあとがなくなった日本だが、森田が素晴らしいプレーを見せた。同世代のライバル、ウルシュラ・ラドワンスカを終始圧倒し、2-2のタイに持ち込んだ。「緊張していた。弱気になるポイントもあった」という森田だが、とてもそうは見えなかった。のびのびと打ちまくり、持ち味の強打を炸裂させた。
「1-2で緊張する場面。ランキングでは同じくらいの相手だし、クレーコートは決して得意ではない。その中でこれだけの試合ができて自信をつけただろう」と村上武資監督も賛辞を惜しまなかった。地元のファンで埋まった会場を沈黙させる、見事なプレーだった。
[ダブルス] ○アリシア・ロソルスカ/クラウディア・ヤンス 1-6,6-3,6-3 ●杉山愛/森田あゆみ
2-2で迎えたダブルス。ポーランドはラドワンスカ姉妹を起用せず、当初の予定通りダブルススペシャリストをそろえた。日本のダブルスは杉山/森田。村上監督はチームの軸である二人をダブルスにも起用し、万全の態勢を整えた。最初に流れをつかんだのは日本ペアだった。第1セットは日本が6-1と圧倒する。ポーランドペアはリズムをつかめず、ちぐはぐなプレーだった。しかし、ツアーでもペアを組む二人は第2セットで目を覚ます。積極的なポーチで主導権を握り、セットオールに持ち込むと、その流れを最後まで手放さなかった。
杉山が悔やむのは、第2セット1-3から3-3に追いついたあとの自身のサービスゲーム。サービスダウンで3-4となり、結局、その後は一度もリードを奪うことができなかった。「第2セットから相手が乗ってきて、よく動いていたので、打つところが見つからなくなった」と杉山は唇を噛んだ。ダブルスでツアー優勝の経験もあるポーランドペアのコンビネーションは抜群だった。ツアーではダブルスの第一人者である杉山も「自分たちの形を持っている」と脱帽した。
森田の第4シングルス起用は台本通りだった。策が当たって2-2のタイには持ち込んだが、最後の最後でシナリオが狂った。杉山の技術と経験に、森田の勢い。自信を持って二人をダブルスに起用した村上監督だったが、相手ペアの完成度が一枚上手だった。
2-3の惜敗に「監督の力不足。選手は最後まで必死に戦ってくれた」と村上監督。「この悔しさを次につなげていくしかない」と自分に言い聞かせるように語った。少なくとも、次につながる敗戦であったことは間違いない。今後の課題は、ジュニアを含めた「全体の底上げ」と村上監督。「今の代表に刺激を与えられるような選手を育てるために、全力で強化に取り組みたい」と力強く語った。